過去の出題内容
年度 |
番号 |
項目 |
分野・テーマ(表題)・問題レベル |
09 |
1 |
読解 |
(A)英文の趣旨をまとめる問題(記述)Annie Dillard:Seeing〈難〉 |
(B)読解(文補充・パラグラフ整序など) (客観)「万年筆のコレクションについて」〈標準〉 |
2 |
英作文 |
(A)空所補充(記述)〈標準〉 |
(B )書き換え問題(記述)〈易〉 |
3 |
リスニング |
(A) (客観)「超常現象に対する態度」〈やや易〉 |
(B) (客観)「味覚」〈やや易〉 |
(C) (記述)「石油を巡る情勢」〈やや難〉 |
4 |
文法・語法 |
(A)取り除くべき一語の指摘(客観)〈標準〉 |
読解 |
(B)英文和訳(記述)Mary Gordon:Eleanor's Music〈標準〉 |
5 |
読解 |
長文読解総合問題(記述+客観)NewYorkTimes,February5,2006:Looking for the Lie〈標準〉 |
08 |
1 | 読解 | (A)全文要約(記述)「外見と内面の関係をどう考えるべきか」〈やや難〉 |
(B)読解(文補充・パラグラフ整序など)(客観)「生命の起源について」〈標準〉 |
2 | 英作文 | (A)空所補充(記述)〈標準〉 |
(B)1つのテーマに対する説明(記述)〈やや難〉 |
3 | リスニング | (A) (客観)「ブータンへの民主主義の導入の是非」〈やや易〉 |
(B)( 客観+記述)「集合住宅の建設をめぐる論議」〈やや易〉 |
(C) (客観+記述)「(B)に続くディスカッション」〈標準〉 |
4 | 文法・語法 | (A)取り除くべき一語の指摘(客観)(“Living in Three Languages”)〈標準〉 |
読解 | (B) 英文和訳(記述)「通信革命における携帯とメールの違い」〈標準〉 |
5 | 読解 | 長文読解総合問題(記述+客観)「思春期の娘と母親の心情の交錯」〈標準〉 |
07 | 1 | 読解 | (A)全文要約問題(記述)「詩の意味を誰が決めるか」<標準> |
(B)文補充、パラグラフ整序、など(客観) 「インドのゴミ処理について」<標準> |
2 | 英作文 | (A)英語による日本文要約(記述)<標準> |
(B)イラストを用いた自由英作文(記述)<やや易> |
3 | リスニング | (A) (客観)「ウォーキングについて」<標準> |
(B) (客観+記述)「アフリカのある社会慣習についての人類学の講義」<やや難> |
(C) (記述+客観)「(B)に続く教室での討論」<やや難> |
4 | 文法・語法 | (A)取り除くべき一語の指摘(客観)<やや易> |
読解 | (B)英文和訳(記述)「医学の性質と役割の変化」<標準> |
5 | 読解 | 長文読解総合問題(記述+客観)“Back Home”<やや難> |
出題形式と入試対策
1. 「要旨要約」
過去の出題を見ると、年度によって設問の文言や字数に微妙な差はあっても、文章を理解した上で要点をまとめる力を試すという点では一貫している。東大に合格可能な学力があれば、どんな文章を読んでも「およそこんなことが書いてあるはずだ」というレベルの理解はできているはずである。したがって、「日本語の表現力」が勝敗の分かれ目になることも少なくない。「他人に向けた」「誰が読んでも分かりやすい」「明確で」「簡潔な」文章を書く訓練も積んでおかねばならない。
2. 「段落補充(文補充)」
2000年度から連続して出題されている、「木を見て森を見ず」を戒めるような設問。普段から論説文・解説文を読む際には、指示語、冠詞の使い方、代名詞、名詞の言い換え、論理関係を示す Discourse Marker、パラグラフの展開などに意識を向けておかなければならない。この種の問題が苦手な人は、2006年度までセンター試験の第3問で出題されていた問題を利用して訓練をするのも手である。
3.「英作文」
「イラストの説明」「英文空所補充」(2005年度)→「日本文の英語要約」「1つのテーマに対する説明」(2006年度)→「日本文の英語要約」「イラストの説明」(2007年度)→「英文空所補充」「1つのテーマに対する意見」(2008年度)→「英文空所補充」(2009年度)と毎年変化しているが、空所補充と日本文英語要約のいずれかは過去5年間で必ず出題されている。語数は平均すると1題50~60語。
本年度の(A)だが、1つの空所に20~30語の英語を書き込むという点では昨年度に次ぐ短さ(しかし2つの空所を合わせれば40~60語なので、その意味では平年並みと言うべきか)。(B)だが、自由英作文ではなく同意文完成となった。作文の要素が皆無とまでは言わないが、それでもこの形式の変化は驚愕である。ただ、今後もこの形式が定着する可能性は低いと思われる。
「自由英作文」という形式はとっていても、よく見ると細かい縛りが設定されているので、意外と「不自由」である。何を書かなければならないのか、出題者は何を求めているのかを正確に理解する力が必要。答案を書く上で重要なことは、基本的な語彙を使い、できるだけ平易な英文を書こうとすることである。考えすぎるあまり複雑怪奇な内容を書こうとしたり、自分の語彙にない単語や熟語、構文を用いたりしないことだ。作文は配点的にかなりのウェイトを占め(全体の4分の1)、受験生の間で点差のつきやすい分野であるから、作文での失敗は即不合格につながることをよく覚えておこう。
4.「リスニング」
リスニングの試験が始まる前に必ず設問に目を通しておくことが必要である。それによっておおよその話の内容は予測できるものであり、内容理解に大きな差が出ることは言うまでもない。また、日頃から英文を耳にして、英語の音に慣れておくことも絶対に不可欠。教材付録のCDや、過去のリスニング問題を収録したCDなどを活用し、様々な英語の音声に触れる機会をできるだけ多く作ってほしい。
5.「 文法問題」
過去5年間の形式を見ると「、取り除くべき語の指摘(」2005年度)→「整序作文(」2006年度)→「取り除くべき語の指摘」(2007年度)→「取り除くべき語の指摘」(2008年度)→「取り除くべき語の指摘」(2009年度)となっている。配点的には微々たるものなので、時間をあまりかけずにサラッと正解を見つけたいのだが、文法力というより解釈力を必要とする比較的レベルの高い問題が多く出題されるのが頭の痛いところである。
6. 「英文和訳」
英文和訳は学生の学力がストレートに反映される出題形式である。英文和訳問題は、東大に限らず他の大学でも以前ほど出題されてはいないが、だからといって準備段階で軽んじていいということにはならない。語彙力・熟語力を高める努力を日々重ねることはもちろんのこと、文構造の正確な把握抜きにしては英文の意味を正確につかむことは不可能であり、各文の意味が正確につかめないようでは、いわゆる「長文問題」に対処する力をつけることは不可能だからである。日々の学習の中で英文和訳に真剣に取り組むことこそ合格への必須の条件であることを肝に銘じてほしい。また東大では「全体から部分を考える力」を問う問題がよく出題されている。下線部だけで考えるのではなく、より広い文脈の中で単語の意味、英文の構造を考える姿勢を身につけてもらいたい。
7. 「長文読解問題」
東大では長文読解総合問題で、小説、随筆、論説と様々な素材の英文が出題されているものの、実は出題の趣旨に大きな違いはない。いずれの素材にせよ頻繁に問われるのは「必要な情報を的確に読み取ること」と「一見平易に見える表現、文脈を考慮しないと読み誤ってしまう表現」である。
したがって、本文の世界にできるだけすばやく入れるようにする練習が必要である。構文理解やパラグラフの理解とも異なるような、状況理解を最優先するような英文読解体験をしようと心がけるのもよいだろう。具体的には、時・場所・人物描写などの大切な記述が散在していることも多く、それらを表で整理するつもりで読むことになる。他大学の入試問題でも、インターネットの英文でもよい。そういう姿勢こそ東大が求めている英語への姿勢の一つであるのだから。